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美少年による美しすぎるサイコ映画

少年は残酷な弓を射る

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前からずっと気になっていて、先日念願の鑑賞を果たすことができた映画。
如何せん美少年という言葉にとことん弱いので「美少年によるサイコスリラー」なんて甘い謳い文句に乗せられてウッキウキでツタヤのレジに並びました
Googleではジャンル/ミステリーとなっているが、私の通うツタヤでは堂々とホラー映画の棚に並んでいたのでどちらかといえばサイコスリラーといった形なのかもしれない。

ホラーというより、鬱映画。青い肌の幽霊や墓から奇跡の生還を果たしたゾンビが襲ってくる訳でもない。ただオープニングからエンドロールまでひたすら不穏な空気が流れている。幸せなシーンは長女が舞踏会ごっこや朝食にシリアルを食べている時くらい。そんな長女も片目を失明しているのですけど。

大まかなあらすじは
『自由奔放に生きてきた作家のエヴァは、キャリアの途中で子供を授かった。ケヴィンと名付けられたその息子は、なせが幼い頃から母親のエヴァにだけ反抗を繰り返し、心を開こうとしない。やがてケヴィン、美しく、賢い、完璧な息子へと成長する。しかしその裏で、母への反抗心は少しも治まることはなかった。そして悪魔のような息子は、遂にエヴァの全てを破壊する事件を起こす(Amazonプライム引用)』といった具合。

酒と精神薬に依存する"犯罪者"の母親が、息子が生まれてから事件を起こすまでの過去の経緯を思い返していくストーリー展開。
まぁ、この映画、とにかく主人公であり、題名にもなっている少年(=ケヴィン)の母親がとにかく不憫。子供ができたことによりキャリアを捨てるも、ケヴィンは母親にだけは懐かない。彼が起こした事件以降、どこを歩いても罵られ、嫌がらせを受ける毎日。挙句に、やっと見つけた働き口でのクリスマスパーティーでは男から「お高く止まってんじゃねぇよビッチ」とまで言われます。
彼女は妊娠してから、終わりの見えない絶望の連鎖が続く。あまりにも可哀想で終始見ていられない。

そしてケヴィンの反抗も中々すごい。少し内容に触れさせて貰うと、
「(あんたの息子だから)似ちゃったのかもね」なんて血の繋がりを滲ませ淡い期待を誘うような事を言うかと思えば、手のひらを返すように嫌悪感を剥き出しにするケヴィン。エヴァが親子らしいことをしようとしても、それを尽く砕くケヴィン。
父親の前では良い子を演じ、母の前では悪魔と化す。そんな息子の本当の姿を誰も信じてはくれない。
母親エヴァも、ケヴィンが歳を重ねていくにつれ"自分とは違う人間" "私のことが大嫌いな息子" だからもう仕方ないと言わんばりの、所々吹っ切れているような、もう諦めの領域に入っているように感じた。

私はこの映画を見終わったあと『綺麗』だといった感想を抱いたけれど、
「もし自分の子供がサイコパスだったら?」
この作品は見る人によってはとんでもない鬱映画になりそうです。

ここからは本編ラストに触れるためネタバレをされたくない方はUターンお願いします



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物語も結末ともいえる、警官が施錠をチェーンソーで外し、ケヴィンが立てこもった高校から両手を上げて出てきたシーン。
綺麗。あまりにも綺麗で数分間息が止まったかと思ったくらい。
その後、彼はパトカーの上で押さえつけられるのだが、ケヴィンは群衆の中でこちらを見て呆然と立ち尽くすエヴァにニヤリと笑いかける。綺麗。本当に不謹慎なくらい綺麗だと思った。不謹慎だと感じつつも綺麗だと思わずにいられないこの感情はヴィオレッタを見た時以来です。
ヴィオレッタ』

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ケヴィンが体育館に拉致した生徒達を虐殺していくシーンも流血はなく、映るのはケヴィンが弓を射る姿と、スポットライトを浴び、まるでパフォーマンスかのように深々と礼をする姿。死の直接的な描写が少ない(ゼロではないが)

あまりにも綺麗すぎるスリラー映画。

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あとエズラミラーがとにかく美しいです。美少年界のてっぺん取りました。
映画に影響受けやすいタイプでして、鑑賞後は数日間頭の中のドセンターにエズラミラーがどっかり座り込んでました。ワンピクかな。好きだね。