女の子は生きてるだけで可愛い

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私がCMBYN鑑賞後に病んだ理由


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君の名前で僕を呼んで

この映画は映画好きの界隈では社会現象と言っていいほど爆発的な高評価と高ポイントなレビュー。でも私には万人に受け入れられた良さが分からなかった。


もちろん綺麗な作品だと思う。でも鑑賞後どうしようもない気持ちになった。最後のエンドロールの映像美には少し救われた気持ちがあったものの、鬱映画を見たあとのような後味の悪さ。しかもこの後味の悪さは2人の結末、エリオの泣き顔を見て感じたわけじゃない。

後から気づいた事だけれど私がこう感じたのは、この作品にリアリティさを見いだせなかったから。どこか第三者が書き上げたありえない夢物語のような理想像を見せつけられたような気分になったから。もちろん、あえてその夢物語をイタリアの避暑地の美しさと共に魅せている作品なのかもしれないけれど。


エリオ1家の経済事情には詳しく触れられてないが標準、もしくはそれ以上の生活が送れてるように見える。他の方からの言葉を借りさせていただくと、経済的に余裕のある実家、理解のある両親、それに愛してくれる恋人。

リアリティがあまりにもなかった。何度も言うけど本当に綺麗な話。綺麗な話だけど、綺麗すぎる。


オーストラリアの一部州では1984年に同性愛が"合法"とされた。1983年にはエイズが1人の著名人によって「ゲイの疫病」との表現をされた。Call me by your nameで舞台となってるのは、そんな時代。今よりもずっと偏見も風当たりも世間からの好奇の目もキツい時代。もちろん今回は"一夏の恋"がテーマの1つであるからかもしれないけれど、それを踏まえてもエリオを取り巻くあのじんわりとした避暑地の環境は出来すぎている。綺麗すぎる。夢物語にしか思えなかった。


※ここからはラストに触れますのでネタバレされたくない方は自衛よろしくお願いします



最終的に2人が結ばれることはなく、その年の冬にオリヴァーが女性と婚約することになる。先程述べた通り、あの時代ならそういった選択を取るのも容易に想像がつく。ハッピーエンドというわけではない。最後の最後で。



この映画を見て同性愛について考えるきっかけになったなら良いけれど、これは本当に限りなく"フィクション"に近い作品だから、興味を持った人達が鑑賞後これを丸々飲み込むのではなくて、きちんと現実を調べて欲しい。

私はこの映画を否定したいわけじゃない。良い作品。現にこうやってたくさんの支持者がいるし、映画でもドラマでも、エンターテインメントがきっかけで興味を持つことはすごくいい事。ただその作品で流されていたこと全てが事実を反映しているわけではない。身終わったあと、どう処理するか、捉えていくかは結局自分。